入り混じる

2023年1月29日

こんばんは。池田です。

パリコレは一旦終わりましたが、コレクション期間は見てるだけで楽しいですね。
日本のブランドが公式スケジュールに増え始めていることも嬉しい限り。
海外メゾンがひしめきあっている中に、入り混じるように日本のブランドも確立していって欲しいものです。

そんな海外メゾンの多くはここ最近ストリート要素が少しずつ薄れ始めている印象を受けますかね。
ここ数シーズンでテーラード、クラシック、のような原点回帰が起こり始めているような気がします。
ただ、ラグジュアリーストリートと呼ばれるようなカテゴリーも地位を得た、確立したようにも感じるので、海外メゾンという括りでも様々なカテゴリーが入り混じっていて、その点も面白さに拍車をかけてくれているでしょうか。
まだブランドがスタートしたてで、シーズンごとにデザインが変わってしまい、ふらふらしてしまうブランドがあるのもまた面白いです。

コレクションが始まり、来月からはお取り扱いさせていただいているブランドの展示会も始まるという中で、本日はULTERIORのDOBBY CHECKS MIL-SHIRTのご紹介を。
これまた非常に良いです。

デザインのソースになっているのは、アイテム名の通り、ビンテージのミリタリーシャツです。
ミリタリーシャツの場合、両胸にポケットが付いていることが多いような気がしますが、こちらは左胸のみ。
そのフラップポケットは大きめのサイズが特徴で、良い主張もしてくれてますね。

オープンカラーの仕様にはなっていますが、トップのボタンも留めることができるので、留めるだけでも印象は変えられるかと思います。
ボックスシルエットになっているので、全部開けてばさっと着てもシャツジャケットのような良い雰囲気を出せるかと。

そしてなんと言っても特徴的なのが、立体的なドビーチェック。
所謂チェック柄とは全く異なり、非常に独特なチェック柄に感じることができるのではないでしょうか。
なんとも表現のしづらいチェックで、ULTERIORの生地の表現って難しいんだよな、と改めて思わされます。
なんとか伝えようと頑張ってはいるので、わかりづらくてもお許しを。

そのドビーチェックには単色ではなく、2色のトップ糸が使われています。
2色のトップ糸をドビー織機で織り上げられて、立体的な格子柄に仕上げられています。
2色使用しているとは言っても、生地に非常に近い色味のため、近くで見ないと2色使われていることがわからないぐらいです。

こういった複数色の糸を使用したり、よく見ないとわからない非常に細かい仕掛けで、曖昧な雰囲気を出す点がULTERIORらしいですね。

こうして仕上がったドビーチェックはアイテムの説明にもある通り、西洋のような雰囲気が漂いつつ、東洋の雰囲気も漂う、様々な文化が入り混じったかのような柄になっているかと思います。
アンティーク調にも見えるし、何にも属さない新しさも感じられる、全ての要素が入り混じっているようにも感じられる。
そんな着る人に考えさせる余白を持っている存在なのかもしれません。

シルエットに関しては上述したようにボックスシルエットとなっており、ゆったりとしたサイズ感です。
少し透けるぐらいの薄手の生地も相まって、暖かくなってくる時期には非常に着心地が良いかと思います。

色味の展開はBLACKのみとなっており、合わせやすさは言わずもがな。
チェックはチェックでも目立ちすぎない柄なので、チェックのアイテムに抵抗がある方でも抵抗なく着られるはずです。
NEPPED OLD DENIM 52 TROUSERSと合わせたりすると、春がきたななんて勘違いをしてしまいそうですね。