静か

2024年12月28日

こんばんは。池田です。

今日が終わると今年の営業も最後の1日を残すのみ。
そしてあと3日で2024年も終わり。
本当にあっという間ですね。
2024年も静かなりに駆け抜けて来れたのかな、なんて想いに耽ってしまいます。
もっとやれることがあったことは間違いないですが、過去ばかり見ていても仕方ないので、前を向いて来年はどう運営していこうか考える年末年始にしましょうかね。
特にやることはないですし。
ただ、姪っ子甥っ子たちが帰省してきて静かな環境ではなくなるので、そんなことを考えられる状況ではないかもしれませんけども。
ちびっ子たちとも楽しみつつ、自分の時間も見つけつつ、のんびりと静かな年末年始にできればと。

実はちびっ子たちが寝静まった年明け早々が1番落ち着くかもな、なんて考えている2日前の定休日では自宅の大掃除をしました。
普段から掃除しているものの、やはり物の下や隙間には埃が凄まじくなってしまいますね。
こんな狭いところに静かに潜んでいたのか、と思ってしまうほどに。
よくもあれだけ埃が生まれるものだな、と思いつつ、あれだけの埃を見るとなんだか静かに讃えたくなってしまいました。
ちびっ子が成長するように、埃も1年かけて静かに増やしていったのだな、と。
なんて書いていますが、流石にそうは感じていませんけどね。
しっかり埃を取ってありとあらゆる場所を拭いて1年の汚れを落とすことができて何より。
綺麗なのが1番ですね。

その後は何故か達成感を得てしまって静かに過ごすだけだったな、と怠惰ぶりを発揮しつつ、本日は山内の超強撚ギャバ・ジャンプスーツのご紹介を。
静かに佇んでいながらも力強さも感じさせる仕上がりの1着。

スクラップジャンプスーツ含め、これらのジャンプスーツをセレクトした経緯などについては『だけ』をご覧いただけると嬉しいです。
泣いて喜ぶはず。

というわけで、こちらは先日ご紹介したスクラップジャンプスーツと同様のデザインとなっています。
25SSの構想を始める中で初めに思い浮かんだものがツナギだったことは『だけ』でも触れましたが、そのデザインを進めている時のことについて触れていませんでしたね。

実際にデザインを進めている時、山内さんはちびっ子が静かに絵を描いている感覚のように楽しんでいたとのこと。
静かに、というのはわかりませんが、山内さんは静かに楽しんでいたのではないか、という予想のもと加えているので悪しからず。
あの寡黙そうな山内さんがちびっ子の感覚でデザインを進めていたことが個人的には意外で新鮮さを覚えてしまったんですよね。
それだけ想いもこだわりも詰まった1着なのだろう、と静かに妄想している次第。

そこから実際のサイズに落とし込む中で、要素や設計の足し引きをしていき仕上げられています。
こういったことができるのは、現場と一緒に進められるアトリエがあるからこそ。
どうりでどれも作り込みがとんでもないわけだと再実感。

(僕の画像では伝わらないので、ブランド公式の画像から失礼します。)

作りの良さを感じられる縫製は、スクラップジャンプスーツではデザインとしても昇華されていましたが、こちらはより静かに鎮座しているように感じられますね。
生地と同色であるからこそのこの静かさ。
それでいて目を凝らすと繊細な縫製が垣間見えます。
どの部分を見ても文句のつけようがないこの縫製は本当にとんでもないですね。
このこだわり抜いたものづくりにはもはや恐怖すら感じてしまうかもしれません。
たまらないという意味での恐怖ですので。

そんなジャンプスーツに採用されている生地は超強撚ギャバ。
山内を長年着られている方でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この生地はこれまでにも採用されている定番とも言えるものです。

このギャバジンで使われている強撚糸は、本来1mで1000回の撚りをかけるところ、まさかのその2倍の撚りがかけられています。
倍なんて静かにしていたくても驚かざるを得ませんよね。
それは”超強撚”と言いたくなるわけです。
もしかしたらあの伝説的漫画のように、”超強撚2”、”超強撚3”、と成長していくのかもしれません。

また余計なことを言っているので静かにすることにしまして、この強撚糸はZ(左)撚りの単糸な上にそれをZ(左)撚りした双糸の強撚であるZZ強撚の生地が採用されています。
ZZ強撚生地は強撚生地の中でも突出して扱いが難しいとのこと。
であるが故に、ハリのある密度の高い生地感が再現されているわけですね。

ただ、それだけではなく、滑らかというよりもざりっと節があるかのような生地感に仕上がっています。
これがなんともこのジャンプスーツに合いすぎた生地感だと感じさせるんですよね。
黒単色だからこそ静かな雰囲気を感じさせつつ、ジャンプスーツならではの力強さに拍車をかけてくれていると言いますか。
滑らかな生地感で品を感じさせることも良さそうではありますが、山内だからこそ出せるこの力強さがもうたまりません。
だからと言って、粗野すぎるわけでも、品がないわけでもないのでご安心を。