追憶
こんばんは。池田です。
両親が共働きだったので、保育園の迎えや小学校のサッカー通いに祖母が付き合ってくれたことを、タイトルを考えつつ思い出してました。
そこまで鮮明に覚えているわけではありませんが、保育園の帰りに近くのコンビニでお菓子を買ってくれていた気がします。
おかげでコンビニの店員の方とは顔見知りになっていたような。
そんな何かに活かせるわけでもない記憶しかない僕とは違い、satouではデザイナー自身の記憶をデザインや生地に落とし込み、アイテムというよりも作品と言った方が良いとも思えるものづくりをしています。
その中でも22SSでメインアイテムとなっているHatake fatigue jktとGrandfather shirt blousonを。
両者ともに麻の葉柄のオリジナルキルト生地を使用。
そのキルト生地はデザイナーの祖母と母が手作りしていたキルトタペストリーが元になっています。
Grandfather shirt blousonでは、デザイナーの祖父が普段着ていたシャツブルゾンがベースになっており、Hatake fatigue jktではファティーグジャケットをベースに祖父が畑で着ていた作業着をイメージしてデザインされています。
ただ説明を文章で見ただけでは、僕レベルではここまで良いアイテムだとは全く想像がつきません。
が、satouでは素晴らしい洋服として成立し、形になってしまいます。
この背景込みでアイテムを見ると、他では味わえない感情を動かされるような感覚を抱いていただけるのかなと期待してしまいます。
もちろんそれ以外の細かい部分でもsatouの真摯なものづくりを見られます。
直接見ていただきたいので簡単に。
オーガニックコットンを使用した裏地、傾斜のついたボタンホール、首元に控えるアローステッチ、ウエストや背面についた幅の広いベルト・・・
などなど、細かい部分までまったく妥協を感じさせません。
妥協なくこだわったものづくりをしているブランドではありますが、それぞれ主張が強すぎるわけではなく、そっと寄り添ってくれる懐の深さを持っているので、長く長く愛用できるかと思います。
同じ時間を過ごすごとに風合いも増していき、長い時間を過ごした祖父母のような関係を築くことができるのではないかと。
背景にある記憶を携えたsatouのアイテムで過ごす時間にしてみてはいかがでしょうか。
池田