嗜む
こんばんは。池田です。
秋に一直線に向かっていると感じられますが、皆さんは秋と言うと何が思い浮かぶのでしょうか。
食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋、などなど様々言われていますけども。
どれかひとつに絞ってくれ、と言いたいところですが、調べてみるとそれぞれに由来があるんですね。
秋だけとは言わずに通年そうですが、僕は読書やアートを嗜む秋にしようと思います。
何も変わらない生活です。
何も変わらないと言いつつ、これまで煙草は普通の紙巻煙草を吸っていたのですが、最近は巻き煙草も併用して吸うようになりました。
吸っている方の話を聞いて、少し節約になる、ということが吸い始めた1番の理由。
煙草も値上げが止まらないので、大きく節約できるわけではないにしろ、塵も積もれば、ということで。
と、吸い始めてみると、意外や意外、かなり好みのものに出会うことができました。
節約しつつも、しっかりと美味しく嗜むことできて何より。
煙草なんてお金の無駄だ、と思っている方も多くいらっしゃるかとは思いますが、好きなものを我慢せずに嗜む、それで良いのでは、と自分で肯定しておきます。
普段から嗜むことが意外と多かったりするのかな、と気付きを得たような気がしつつ、本日は山内のアルパカメルトンのアイテムたちのご紹介です。
これぞ嗜む洋服、そんなアイテムたち。
まずは共通している生地から。
アイテム名にもある通り、採用されているのはアルパカメルトンの二重織。
アルパカを縮絨するのは本来難しいのですが、山内が長く取り組んでいる⼀宮葛利⽑織さんに制作いただいた生地です。
試作の段階でかなり難航もしていたようですが、なんとか実現するまで漕ぎつけられた渾身の生地かと。
その完成されたアルパカメルトンは柔らかく、ふっくらとした滑らかな生地感です。
この柔らかさは密度を低くすることで実現。
ただ、柔らかいからと言って軽快な雰囲気ではなく、しっかりと重厚な存在感を放った雰囲気です。
柔らかさは出しつつ、目付けを高めるために二重織にすることで、柔らかさと重厚感を兼ね備えた生地感に。
この生地はただただ見て嗜むだけでも満足できてしまいそうな仕上がりでたまらないです。
こんなにも完成された生地であるものの、もちろんそれだけでは終わりません。
この生地を使ったトレンチコートとワンタックセミワイドパンツの2型をセレクト。
トレンチコートについては、今季のファースト品番としてコレクションがスタートしたメインアイテム。
それだけに仕上がりがなんと言っても素晴らしいです。
過度なデザインはなく、生地と仕立てを嗜む、そんな1着でしょうか。
シンプルなデザインではあるものの、縫製などの仕立てがデザインとして昇華されています。
画像ではわかりづらく申し訳ないのですが、前端からラペル、襟端へと走っているダブルステッチは幅が広く設定されているため、縫製にとどまらない主張をしてくれています。
細かく繊細な縫製も魅力的ではあるのですが、こちらではこの完成された生地の表情に打ち負かされてしまっただろうな、なんて思ってしまいますね。
これぐらい存在感があり主張してくれる縫製なら、打ち負かされることなく、デザインとして確立してくれているはず。
縫製を嗜む、なんて変態的な気もしてしまいますが、そう感じていただける仕上がりですよ。
そしてもう1型はワンタックセミワイドパンツ。
アイテム名通り、ワンタックが深めに入れられ、太すぎず細すぎない程良いシルエットです。
ゆるめのテーパードがかかっていたり、センタープレスが施されていたり、とすっきりした印象も受けるでしょうか。
また、秋冬のパンツでは裏地が付けられていることが多いですが、こちらでは付かない仕様です。
というのも、完成されたアルパカメルトンの上質な感触を、肌で直接嗜むことができるように、というブランドからのメッセージ。
確かにずっと表地を手で触っているわけにもいかないですしね。
そのメッセージを受け取って、実際に穿いてみるともう病みつきです。
この穿き心地は嗜むパンツだとご理解いただけるはず。
何かを嗜むひとときがどれほど良い時間なのか、そんなことを教えてくれていますね。
生地、仕立ての良さを嗜む、まさに嗜む洋服と言える、山内のアルパカメルトンのアイテムたちを是非。
池田