瞬
こんばんは。池田です。
昨日は営業終了が近くなってから天気予報を見ると、帰宅時間に雨が降りそうだったので少し早めに営業終了とさせていただきました。
どうせ雨が降る降る詐欺だろうな、と思って合羽代わりのゴアテックスくんを持ってきていなかったんですよね。
そんなこんなで帰ろうと自転車に乗った時は小雨だったので良かったのですが、走り始めた瞬間しっかり降り始める次第。
おかげさまでびしょ濡れで帰ることになってしまいました。
こればかりは致し方なしだな、と思って自宅に到着してから少し時間が経つと瞬く間に雨が止んでいるではありませんか。
なんて運がないんでしょう。
もしかしたら早仕舞いしていなければここまで濡れなかったのでは、と悔やむ結果に。
困ったものですね。
予報を見ると明日もその展開がありそう、と一瞬嫌な予感が脳裏を通り過ぎた昨日、何故この声に惹かれるのかを明かすような企画の番組をやっていました。
特に興味があったわけではなかったので横目で見ている程度だったのですが、そこで最後に出てきたのがメディアには顔を出さない某歌手。
僕はその某歌手のことを以前はあまり好きではありませんでした。
どんな歌を出しているのかすら大して知らなかったので好き嫌いの問題でもなかったんですけども。
それがあの映画を見た瞬間に心がやられてしまいました。
この方、天才なのでは、なんて素人ごときが思ってしまうほど凄まじいなと。
どうやらその番組によると、意識してなのかはわからないものの、2つの声の特性を持ち合わせているようなことを言っており、妙な納得感が得られたんですよね。
説明はできないんですけども。
何はともあれ、自分の好みなんてふとした何かが起こったりするだけで瞬く間にひっくり返るんだなと。
着ず嫌い、食わず嫌い、聴かず嫌い、こういったことは宜しくないですね。
これ全て自分に当てはまっているのでは、と一瞬心配になりつつ瞬時に切り替えたところで、本日はYASHIKIのArare Double Knit Coatのご紹介を。
一瞬で起こることの瞬間を切り取り、瞬く間に心奪われる仕上がりです。
まずは毎度の如く、全体のイメージから。
こちらでイメージされているのは『霰』です。
また無知ぶりを披露すると一瞬思われた方、残念ながら流石の僕でも霰ぐらいは知っていますよ。
そんなこと考えるほどお読みいただいている方はいらっしゃらないか、と瞬く間に落ち込んでしまったのは秘密です。
それはさておき、いつも表現されている情景などを落とし込んだ部分からご説明している気がするので、気分を変えてアイテム説明同様にデザインからご説明をしてみようかと。
デザインとしては先シーズンも展開していたダブルブレストジャケットとして仕上げています。
先シーズンのものは瞬く間に旅立ってしまった記憶があるので、最後の1点ではありますが、まだ生き残る余地があることに少し期待している自分がいることも秘密です。
ダブルブレストジャケットとは言っても、ただのそれではYASHIKIらしくはないですよね。
もちろんそんなことは一瞬たりとも思わせない仕上がり。
しっかりと直線的な着物のパターンが採用された和洋折衷なデザインとなっています。
ダブルブレストジャケットという品のある洋の要素に、着物というなごやかな和の要素が入り混じり、それをニットに落とし込む、瞬時にYASHIKIらしさを感じさせてくれる仕上がり。
凛とした端正な表情のものとは一線を画すこの表情、たまりませんね。
物腰柔らかで、温かみがあり、優しい心を持ち合わせた、そんな存在でしょうか。
加えて、かなりゆとりを持たせたシルエットで仕上げられていることで、よりその存在が強固なものになっているかと。
身幅もアームもたっぷりな上、一瞬ハーフコートかと思わせる長めの着丈。
実際にアイテム名としてコートと名乗っているので、ハーフコートという認識でも問題ないかもしれませんけども。
ダブルブレストジャケットであり、ハーフコートでもある、単純にそう捉えておきましょうかね。
そんなジャケットに落とし込まれているのが上述した『霰』が降る情景。
『霙』を落とし込んだMizore Drivers Knit Vestではまだ真冬ではなかったのかもしれませんが、遂にYASHIKIの世界では真冬に突入したのかもしれません。
現実では何故か今日は真夏日になっていたりするものの、瞬く間に真冬がやってくるのでしょうね。
秋を感じる隙も与えてくれなそう。
不安がっていても仕方ないので続けます。
その霰を表現しているのが身頃の左右やアームにある丸みのある凹凸柄です。
雹ほど大きくない霰だからこそ、このやや細かめの凹凸で表現しているのかもしれません。
この凹凸柄は間隔をあけることなく、びしりと埋め尽くされています。
理由は霰が降り始めたかと思ったのも束の間、辺り一面を一瞬で白く埋め尽くされた情景を表現しているから。
降っている霰を表現しているわけではなく、あくまで地面を埋め尽くした霰を表現しているわけですね。
いやはや、これまた秀逸。
一方の身頃中央のミラノリブ、ここではそのプレーンな編みによって、しんとした一瞬の時を表現しています。
真冬の寒さから張り詰めた空気が流れているその瞬間を切り取っているのでしょうか。
言ってしまえば、どってことのない平坦なミラノリブではあるものの、そこに意味を持たせた表現を落とし込んでくるあたりには抜かりの無さを感じざるを得ませんね。
それはいつも見た瞬間に欲しいと思わせられるのも納得。
そしてここに採用している生地には、ニュージーランド産のファインウールと豪州メリノをブレンドした糸が使われています。
糸自体は防縮糸となっており、光沢感と滑らかさを持ち合わせたもの。
ニットによるジャケットだからと言って、リラックスした雰囲気一辺倒になってしまうことなく、品の良さも兼ね備えているのではないかと。
生地はウール100%ではあるものの、厚みはそれほどではないため、本格的な秋になった瞬間から着ていただけるかと思います。
それでは真冬は厳しいのか、ということはなく、ウールによる暖かみに加えて、たっぷりゆとりのある設計なので、インナー次第で真冬も安心して着ていただけるはず。
これまで展開したことのあるロングコートはしっかり厚みを持たせていたので、こちらの方が着る時期の長さは確実に勝っているでしょうね。
どちらを選べと言われたら、自転車乗りの僕は瞬時にこのジャケットを選ばざるを得ないでしょう。
着ることは許されませんけども。
その一瞬で魅力を感じられる存在のお手本とも言えるのかもしれませんね。
真冬のしんとした一瞬の時間の中で、霰が辺り一面を一瞬で白く埋め尽くす瞬間を切り取り、毎度の如く瞬時に心奪われるYASHIKIのArare Double Knit Coatを是非。
池田