こそ
こんばんは。池田です。
先日某ブランドの新クリエイティブディレクターにあの人物が急浮上した報道について書きましたが、早くも就任報道が出されましたね。
兼任する某ブランドと同じグループに属しているからこそ抜擢に至った経緯もありそうでしょうか。
個人的にはより若い方を狙っていく意図があるように思ったり。
とはいえ、兼任する両ブランドの規模が大きいからこそ、兼任することに少し疑問を抱いてしまうことも事実。
あの両者で考えると兼任できるほどのブランドではないような気がしてしまうんですよね。
両者ともに良いクリエイションができれば何も問題はないものの、なんだか両者の存在を軽く見ているようにも感じてしまう次第。
決して軽く見ているわけではないでしょうけども。
様々な意見がSNSなどでも見受けられますが、ブランドの顧客の方々だからこその受け止め方を聞いてみたいですね。
なんてまた勝手に個人的な意見を書いていますが、あくまで僕が感じたことですので右から左に受け流していただければ。
両者ともに極めて高い質のクリエイションが発表されたらこそこそとどこかに隠れないとな、と若干の不安を覚えている新年初の月末、昨日の定休日を最後に来月から展示会をひた走る時期がやってきます。
つまり実質休みがなくなるというわけで、昨日はほとんど何もしないに等しいほどのんびりとしていました。
本屋さんとコンビニだけは行きましたけどね。
そんなわけで展示会があるからこそ休みがなくなるわけですが、だからと言って辛いなんてことは全くなく、毎度書いていますがむしろ楽しみでしかありません。
既存のお取り扱いブランド様たちの展示会はもちろんのこと、お声がけいただいているブランド様の展示会も楽しみ。
何よりそのブランド様だからこその魅力を感じられることを期待に期待を重ねてしまいますね。
期待通りのものが見られたら見られたでオーダーに悩むこと必至なんですけども。
その悩みがあるからこその楽しみがあることもまた事実。
というわけで、来月は展示会周りのため、定休日以外にも休業とさせていただくことがありますので、ご了承ください。
年2回の展示会こそ1年の中で1番の楽しみかもしれないな、とわくわくしながら、本日はKUONのDorozome Shibori Camp Collar Shirtのご紹介を。
だからこそ生まれる魅力を感じられる仕上がりかと。
こちらはKUONでは継続して展開しているオープンカラーシャツとなっています。
継続こそしているとはいえ、生地や染色方法、色味などを毎シーズン変えて展開されているもの。
24SSのキュプラを使った墨流し柄が記憶に新しいところでしょうか。
もう1年前ですけどね。
上述した24SSのオープンカラーシャツは、定番のものから身幅をやや広めの設計で仕上げられていましたが、今季も同様に身幅はやや広めの設計となっています。
すると、そもそものボックスシルエットがよりボックス感が強くなったと感じられるかもしれません。
それこそ箱のように感じられるでしょうか。
いや、箱なんて表現はまるで魅力が感じられないので撤回しておきます。
撤回したものの、箱という表現こそ最も適しているようにも感じてしまいつつ、そんなことよりも身幅が広くなっているからこそ、より暑い時期に適したサイズ感になっているかと思います。
ゆるりと空気を孕んだかのようなものの方が快適であることは言うまでもありませんしね。
ぴたっとしたサイズ感を敵に回すわけではありませんが、やはり暑い時期にはゆとりをもたせたい心情が正直なところではないでしょうか。
そこに施されているのが何よりの特徴である泥染め。
泥染めが施されたアイテムが個人的なこ好みであるからこそ、これまでも山内では積極的にセレクトしていた背景があります。
泥染めアイテムがあまり響いていただけないことも事実ですが、それは秘密にしておきます。
ただ、山内のアイテムは泥染めが施されているとはいえ、均一に染色されたアイテムのみだったかと思います。
もちろんそれでもムラのある表情ではありましたし、僕の記憶が吹き飛んでしまっているだけかもしれませんが、吹き飛んでいたとしてもお許しください。
お許しいただいた上で、こちらのオープンカラーシャツは均一に染色しているわけではなく、さらに絞り染めによって染め上げられています。
これがもし絞り染めではなかったとしたら、セレクトしていなかったかもしれません。
均一に泥染めによる色味だと半袖のオープンカラーシャツは重い印象を受けそうなものの、絞り染めだからこそ重さを感じさせない仕上がりになっているかと思いまして。
とはいえ、軽やかかと聞かれるとまたそれも違う気がしてしまうんですよね。
泥染めだからこそのどしっと構えた佇まいを感じていただけるのではないかと。
それでいて絞り染めだからこそ、重厚過ぎることのない仕上がりになっているのではないでしょうか。
泥染めについてつらつらと書いていますが、何より僕が泥染めが好きな理由が泥染めだからこそ出る土臭さ。
泥で土なんてそれはそうだろう、と思われるかもしれませんが、もちろんそれを否定することができませんし、だからこそ惹かれてしまうんですよね。
僕が玄人なわけではありませんけれど、この良い意味での土臭さは玄人な方こそ好みな気もしてしまいます。
自らを玄人と名乗っている方なんていらっしゃらないかもしれませんけどね。
やはり同じ絞り染めだとしても、泥染めで施されると先日ご紹介したMura Shibori Souvenir JacketやMura Shibori Printed Wide Trousersとは一線を画す仕上がりですよね。
叢絞りでは色味も相まって品の高さを窺うことができましたが、泥染めではそれとは反した土臭さを感じる仕上がり。
甲乙つけることはできませんが、染色方法によって仕上がりに差が出るのも手仕事だからこそ楽しめると言っても過言ではないかもしれませんね。
それと製品染めだからこそ胸ポケットの内側が染まっていない濃淡も楽しめたり。
もしかしたら土臭くて玄人好みなんて表現をしてしまうと良い印象を抱けないかもしれませんが、ここではもちろん良い意味での表現ですのでね。
それに極めて土臭いということはなく、上述した重厚すぎないことにも通ずるように、絞り染めで施されているからこそ、土臭さを緩和してくれているはず。
重厚すぎないどしっとした佇まいに、程良く感じられる土臭さ、これこそ絞り染めだからこそと言えるのではないでしょうか。
そして絞り染めだからこそ、唯一無二の存在でいてくれることも魅力であることは言わずもがなですかね。
同じ施し方をしていたとしても、手作業であるが故にこれといって同じ表情に仕上がることがないそれぞれの個性を見せてくれているかと思います。
それこそ一期一会と言えるでしょうね。
ちなみに背面はこんな感じです。
より柄が前面に出た絞り染めだからこその表情をしているとも言えるかもしれませんね。
背中で語る姿を見せつけられそうでしょうか。
見せつけようとせずとも見せてくれるんですけどね。
また、この泥染めが施された生地はレーヨン100%となっています。
泥染めが施されているのでレーヨンだからこその光沢感は薄まってしまっているものの、上述した土臭さを緩和してくれる要因になってくれているかと。
もちろんレーヨンだからこその柔らかさを有しつつ、泥染めが作用してなのかは定かではありませんが、ぶりんとした生地感も感じていただけるかもしれません。
通常のレーヨンでは感じられない独特な生地感といったところでしょうかね。
自分だからこそ出せる味を吟味する必要に駆られてしまいそうですね。
泥染めを絞り染めで染め上げるからこそ出せる重厚すぎないどしっとした佇まいと程良く感じられる土臭さを感じられ、レーヨンだからこその生地感はやや薄まりつつも、ゆとりあるボックスシルエットも相まって心地良さを持ち合わせた、こそこそと手を出したくなってしまうKUONのDorozome Shibori Camp Collar Shirtを是非。
池田