一周
こんばんは。池田です。
コレクションを見て各メディアの記事を読んでいると毎回思うことがあり、『はなし -diary-』でも何回か書いてしまっていますが、トレンドとは一体、と思ってしまいます。
今季のトレンドなどと書かれていながら、項目がいくつもあり、それ以外に洋服の要素は残っているのか、などと感じてしまう次第です。
「〇〇」ではなく「〇〇の〇〇」、ともう少し細かく考察していただけると、トレンドとして成立しそうかなと勝手に考えてみたり。
前も書いた気がしますが、そもそも新しいものが生まれていないので、トレンドなんて言い方が間違っているのかもしれませんね。
僕は一周回って〇〇年代のトレンドがリバイバルした、ぐらいの表現がしっくりきます。
自分が好きなものをセレクトしている身からすると、そんなことを考えても仕方ないんですけどね。
トレンドを追う方たちの苦労を考えるだけで疲れそうです。
一周どころか二周、三周してるぐらい既視感のあることをつらつらと書きながら、本日ご紹介するのはsatouのoshibana knit cardiganです。
非常にsatouらしいカーディガンになっていると思います。
イメージソースにしているのは、デザイナーの祖母が着ていたカーディガン。
そう言われてみるとおばあちゃんはクルーネックのカーディガンを着ているイメージがあるかもしれません。
Vネックよりクルーネック、このイメージは僕だけでしょうかね。
そして何よりの特徴は今季のテーマである「押し花」を施した背中部分。
ここではメッシュ編みを用いて表現されており、さりげなく「押し花」が浮いてくるような感覚です。
インナーの色味によって、「押し花」にした花の種類が変わったり、柄の浮き方が変わったりするので、それぞれの着方次第で表情が異なってくるはず。
そこに使用されている糸はネップ感のある太番手の綿糸。
それだけではなく、特殊な撚糸が加わっており、買ったばかりのぴかぴか状態というよりも、おばあちゃんが長く愛用してきたかのような風合いが出ています。
毛玉が出てきても取らずにそのまま着ても良さそうかな、なんて思ったりも。
1番の特徴である背中の「押し花」柄はもちろんなのですが、個人的にぐっときたのがサイズ感。
このジャスト目なサイズ感が、おばあちゃんが着ていそうだ、と僕は感じてしまいました。
リブの強さも相まっておばあちゃんが着ていそうな印象とともに、着てみると一周回って新鮮な感覚を覚えます。
22AWのsotogi half zip knitでも同じ感覚を覚えましたね。
これについてはゆるいものばかり着ている僕だから抱いた感覚かもしれないので、あくまで個人的な意見として受け取っていただければ。
これを着たらおばあちゃんに会いに帰省したくなるかもしれませんね。
一周回って新鮮な感覚を抱く方も、既に二周三周している方も、これから一周目をスタートする方も、satouのoshibana knit cardiganを是非。
池田