
切る
こんばんは。池田です。
そういえば展示会を奔走していたのですっかり髪を切ることができず、毎度のことながら毛量が凄まじいことになっています。
よくよく振り返ってみるともう2ヶ月も切ることができていない現実。
それは毛量が凄まじくなるわけですね。
なんとかそうは見えないように抑え込んで乗り切るしかないですが、流石にそろそろ切りたいところ。
それと悩ましいのが伸ばすことに飽き始めているんですよね。
短髪とまではいかないものの、もう少し短く切ることも考えていたり。
新年度に突入しますし、それも視野に入れつつ切る日を決めないとです。
今週切るか、と意気込んでいたら休業日が被っていて先延ばしになってしまった中、またまた大物の退任報道が発表されましたね。
退任するのではないかということは囁かれていたので、そこまでの驚きではなかったものの、そのブランドと言えばその方、とも言い切ることができるほどだったので、ブランドとしては英断とも言えそうでしょうか。
報道を読んでみるとそのブランドではやり切ることができたような発言も見られたので、本当にやり切ることができていたならば何よりですね。
既に某ブランドに新たに就くことも囁かれていますし、後任の2人も囁かれていますし、相変わらず交代劇が見逃せないここ最近。
案の定、頭が混乱してしまいますね。
どこかで整理していただきたい限り。

長年就いていたからこそ自分の表現をやり切ることができたのだろうな、とまたもや素人が勝手なことを考えながら、本日はFujimotoのPrinted S/C Oxford Less Jacketのご紹介を。
何かと切る表現を落とし込むことでFujimotoらしい世界観を感じられる仕上がりかと。

まず採用されている生地について。
こちらではシルクとコットンの混紡オックス生地が採用されています。
Fujimotoのアイテムではシルク混の生地を使用することが多くありますが、個人的にもFujimotoで採用されるシルク混にはすっかり虜に。
先日お伺いした展示会では藤本さんもシルク混の生地がお好きだと仰っていたので、Fujimotoの世界観を出し切るには最適な生地と言えるのかもしれません。

その生地はネップがあると言いますか、毛羽立っていると言いますか。
この生地感が非常に良い表情をしてくれています。
ネップや毛羽立ちと聞くとどこか粗野な雰囲気に振り切ることになると思われるかもしれませんが、シルクが入ることで気品も感じさせる表情に。

さらに生地の段階で壊すことをイメージしてストーンバイオ加工を施されているため、荒々しい表情も感じられるかもしれません。
粗野、気品、荒々しさ、それぞれが共存することによってFujimotoらしさを出し切る仕上がりに。
それでいて柔らかさのある生地感で心地良いなんて困ったものですね。
虜。

先に生地に触れたので色味について。
こちらはBLACKとなっているのですが、ストーンバイオ加工が施されているため、フェードしたような、ネイビーのような、色味となっています。
黒に振り切る表情も見てみたい気持ちもありますが、このネイビーがかったようなフェードした表情もFujimotoらしさと言えるでしょうね。

そこに施されているのが大判なプリント。
ここでは規格を振り切るかの如くな大きさをした版が使用されています。
明らかに大きいと感じてしまうことに加え、べたりと厚みのあるプリントだけあって、その存在感たるや。

ただ、それを単純にプリントしているだけではないことが藤本さんの狂気的なところ。
背面の内側にもプリントが見られるのは、フロントを縫った状態でプリントを施し、その後に断ち切るためです。
いやいや、背面内側のプリントなんて着てしまっては見えないですけども、と思われた方、その通り。
着てしまえば全くもって見えません。

が、それを今季の『FADE』というテーマを鑑みてみると、もしかしたら隠れてしまう背面のプリント部分は自分の偽りの姿を表しているのかもしれません。
偽りの姿を隠し切ることであるがままの姿を見せる、といったところでしょうか。
それぞれの解釈を楽しめる余白があるとも言えそうですね。


そのフロント部分以外も全て断ち切ることでもFujimotoらしさを感じられるかと。
これは着ていくうちに徐々にほつれていく変化を楽しめそうですね。
細かい部分ではありますが、断ち切ることでのほつれが背面のプリントにも影響しているところが好みだったり。

全てを断ち切ることの良さはもちろんのこと、ノーカラーに仕上げている点もその良さに拍車をかけているかと思います。
ノーカラーだからこそ全て断ち切る様相を如実に感じられる気がしてしまいまして。
さらに先日ご紹介したSilk/Cotton Gisya No Collar Jacket の『寄せ』と重複してしまいますが、テーマの中で欠損、破れる、削れている、などの言葉が含まれているため、それを出し切るデザインと言えるでしょうね。

ここでも『FADE』というテーマを深読みすると、テーラードジャケットなどの凛とした佇まいではなく、あくまで完璧ではない姿を映し出しているのかもな、なんて思ったり。
先シーズンは展開していたテーラードジャケットはあえて断ち切るように、今シーズンは展開されていないこともテーマが反映されているのかもしれませんね。
これまた僕の勝手な解釈ですけども。

それは良しとして、ジャケットとされてはいるものの、ノーカラーでゆとりのあるサイズ感も相まって、カーディガンのような羽織に振り切る存在と言えるかもしれません。
上述したようにテーラードジャケットとは異なり、気負いせずに羽織っていただけるかと思います。
べたりと存在感のあるプリントが施されているので、インナーなどはシンプルにしてプリントの存在感を出し切る方が良さそうですかね。


また、ウエストにはベルトも備わっているので、前で結んであげても良いかと。
あえてプリントをずらすように結んでも良さそうだな、とも思ったり。
他と比較してもFujimotoのアイテムでのスタイルは多様だと思っているので、様々なスタイルで楽しんでいただきたい次第です。
やり切ることや振り切ることで生まれる個性の重要性を教えてくれていますね。
粗野、気品、荒々しさ、それぞれが共存したFujimotoらしさを出し切ることができる生地を採用し、プリント後に断ち切ることで偽りの姿を隠し切ることを示唆しているかのようなFujimotoのPrinted S/C Oxford Less Jacketを是非。
池田