
違い
こんばんは。池田です。
昨日は雪が降る予報だったので降り出す前に営業を終了させていただきました。
しかしその予報とは違い、しっかり雪に降られてしまうことに。
帰路についた時は雪というよりも霙のようでしたが、自宅に着く頃にはそれとは違い既に雪に様変わりしていました。
雪であの寒さともなると自転車が辛いのなんの。
走っていると雪が目に入ってきたり、顔を打ち付けてきたり、向かい風で走りにくかったり。
快調な走りとはまるで違いめげそうになってしまいました。
そんな昨日の真冬の天気はこれで最後だと祈るばかり。
真冬ならではのレイヤードを楽しむ気持ちとは違い段々と春を楽しみたい気持ちが強まっている中、コレクションサーキットも終盤といったところでしょうか。
デザイナー交代劇が続く中でそれぞれのブランドのメディアの評価も様々。
僕の良かったという主観、あまり良くなかったという主観とそれぞれのメディアでの評価の違いを比べるのも毎シーズンの楽しみのひとつでもあります。
あからさまに乖離していることは少ないのですが、今シーズンのとあるブランドの評価としてはかなりの違いが見られたんですよね。
個人的にはあまり刺さらなかったのですが、某メディアでは良い評価を得られていました。
やはり見る者によって評価や意見に違いは生まれてしまいますし、何より僕の好みなんて知ったこっちゃないですしね。
ひとりで勝手に楽しんでいるだけなので良いんですけども。


自分に刺さらずとも刺さる方がいらっしゃるのが当たり前なことは間違いないよな、と当たり前なことを改めて考えながら、本日は山内のリサイクルコットン吊り天竺Tシャツ・有松絞りのご紹介を。
何よりそれぞれの違いを楽しみたい仕上がりかと。


なんと言っても特徴的なのはこの有松絞りによる柄ですよね。
山内の有松絞りはもはやお馴染みになっているかもしれませんけども。
毎シーズン何かしらのアイテムで展開されているからこそお馴染みだと思いつつも、展開されるアイテムの違いや色味の違い、柄の違いが顕著だからこそ、毎シーズン惹かれてしまうのは必然と言って良いでしょうね。

その有松絞りは山内が拠点を構える愛知県の伝統工芸品とされています。
職人さんがひとつひとつ手作業で染色を施しているが故に、表情に違いが生まれる仕上がりに。
同じ染色技法であっても似通ってるとは言えないほどの違いが見られるので、まさに一期一会と言い切っても良いのではないでしょうか。


斑模様のように染め上がっているのか、それとも全体に行き渡っているのか。
それ次第で纏う雰囲気は全く違いますよね。
前者では軽やかさが感じられ、後者ではより存在感が感じられるかと。


ちなみに背面はこんな感じ。
前後でも染め上がりの柄の違いを楽しめるのも嬉しいところですよね。
これぞ唯一無二。

そんな有松絞りは上述したように山内では毎シーズン展開されており、それは拠点が愛知県だということはもちろんのこと、有松絞りの職人さんが減少していることや有松絞りの美しさを広めたいという想いから続けられている背景があります。
有松絞りを施したアイテムは他のブランドでも見られるかもしれませんが、こういった背景を聞くと途端に他のブランドとの違いを見出せる気がするんですよね。
背景の想いが価値へと昇華していると言いますか。
それは重くのしかかるだけではなく、しっかりと魅力に反映されているからこそ惹かれてしまうもの。
もちろん背景を考えずとも魅力であることには違いないのでね。

この有松絞りが施されているのがリサイクルコットンの吊り天竺生地。
吊り天竺は負担なく編みこめることもあり、ふわりと柔らかな生地感で心地良さをもたらしてくれています。
これまで展開されていた有松絞りのカットソーはリネンが採用されていたため、じゃりっとした生地感でそれもまた癖になるものでしたが、またそれとは違い、優しい肌あたりを感じていただけるはず。


有松絞りを施しているので何かデザインを大幅に加えることはされていませんが、首元の幅が広めの衿布であったり、山内ならではのシームの仕様などが特徴と言えるかと。
首元はやや詰まり気味で立ち上がるような設計とされているため、Tシャツとスウェットが組み合わさったようにも見えるかもしれません。
その表現はなんだか違いそうな気もしますが、ゆとりをもたせたサイズ感であったとしてもだらしなくは映らないですね。


一方のシームは全て3本針のまたぎ仕様で仕上げられています。
それ故にシームの存在が際立ち、他のカットソーとの違いを見せてくれていますね。
こういった縫製や作りで他との違いが見られるのは山内だからこそ成せるものかと。
相変わらず恐ろしいほどの作り込み。
ちなみに着用している画像がかなり茶色に寄った色味に写ってしまっているのでご了承ください。
自ら違いを見せつけるのではなく感じていただけるようにならねばですね。
有松絞りによってそれぞれの表情に違いが生まれ、それをこれまでとは違いふわりと柔らかな生地に施した上で、さらにシームで他との違いを見せてくれる山内のリサイクルコットン吊り天竺Tシャツ・有松絞りを是非。
池田