一貫
こんばんは。池田です。
23AWの納品も順調に進んでおり、すっかり秋冬のアイテムたちに囲まれてしまっています。
やはり新しいアイテムたちに囲まれるのは良いものですね。
何をオーダーしていたかを全て記憶できているわけではないので、これもオーダーしていたか、なんてこともあるんですけど。
そうは言いつつ、入荷するたびにそれぞれのブランドの個性が一貫していると感じられ、加えてオーダー時の僕の考えも一貫できていたのかな、なんて考えてしまいます。
セットアップが多めなこともそう感じてしまう要因。
そんな秋冬のアイテムに囲まれてわくわくしているにも関わらず、まだまだ着られそうにないのが悔やまれますね。
23AWのアイテムで新鮮で楽しい気分になりつつ、終わりが見えてきた24SSの展示会で見るアイテムたちも、非常にわくわくさせてくれています。
新規として初めて展示会で見るブランドは、やはり一貫した考えや個性を感じられるものに魅力を感じてしまいます。
むしろ一貫しすぎて暑苦しいと感じてしまうぐらいのほうが魅力的ですよね。
そんな良い出会いもありつつ、既に次のシーズンも楽しみになってしまっています。
24SSでお取り扱いさせていただくブランドに関しては、年末あたりにご報告させていただきますので。
『はなし -diary-』で書いていることは一貫できているのかな、なんて不安を抱きつつ、本日はM A N A V EのTuck Collar Shirtsのご紹介を。
一貫したこだわりが垣間見えるアイテムかと。
M A N A V Eは『はなし -diary-』で初めてのご紹介となるので、まずは簡単にブランドのご紹介を。
2021年からシャツ1型からスタートしたブランドになります。
デザイナーの真鍋さんは国内でデザインをしているものの、生産に関しては一貫してフランスの専業アトリエで行われています。
というわけで、コンセプトは以下。
about
マナベ ( M A N A V E ) は2021年にスタートした、デイリーウエア。
国や場所といった背景を軸に、デザイナー自身が好む ” 男性の柔らかさ ” を表現。
現在はフランスの専業アトリエをメインに ものづくりをおこなっている。
そんなM A N A V Eのブランドスタートから継続しているTuck Collar Shirts。
こちらに関しては、ブランドのシグネチャーアイテム、と言っても良いかもしれませんね。
お取り扱いさせていただくに際して、まずはこの1型のみセレクトさせていただいています。
一見するとシンプルなゆったりとしたシャツに見えますが、よく見てみるとどこか違和感を感じるデザイン。
それもそのはずで、デザインのソースになっているのは、54サイズのドレスシャツ。
明らかに大きすぎるそのシャツを真鍋さんがフランスのシャツ工場で見たことがきっかけになっています。
54サイズともなると、かなり限られた人にしか需要がなさそうですが、どんな人が着ているのか、単純に興味が湧いてしまいますね。
オーバーサイズで着る、では済まないサイズ感なのでしょうか。
実際に見てみたい。
その54サイズのドレスシャツをベースにして、M A N A V Eなりにデザインや仕様で独自のシルエットに落とし込まれた1着。
ギャザーやタック、パイピングなどを施すことによって表現されています。
ただサイズを調整するだけでなく、こういった仕様がしっかりとデザインとして成り立っていますね。
襟や袖、後ろ身頃、細かい部分ではあるものの、全体に伏線が散りばめられたかのように、デザインとして落とし込まれており、良い表情を映し出してくれています。
大きく主張するわけではないものの、ブランドとしての一貫した哲学が反映されているかのような仕上がりかと。
調整されたサイズはゆったりめではあるのですが、ただカジュアルに振っているわけではありません。
というのも、ソースになっているドレスシャツの仕様を踏襲しています。
ここもよく見ないとわからない部分かもしれませんが、細かい運針での仕立て。
そうすることでただのゆったりとしたシャツではなく、端正な表情も感じられるバランスの良い仕上がりになっています。
上述もしたように、生産を一貫してフランスで行う、このこだわりには良い意味でなんだか変態的だな、と。
良い意味でのこの変態的な一貫性がお取り扱いさせていただく最大の要因でした。
また、袖に関してはダブルカフスとなっており、内にするか外にするか、その時々で付け替えることができる仕様です。
ここでもフランスに対する一貫したこだわりが見られ、ブランドらしさに繋がっていますね。
54サイズを調整したとは言うものの、身幅とアームホールは54サイズから変えられてはいません。
そのため、調整された部分と調整されていない部分が合わさることによって独特なシルエットになるわけですね。
ただ調整するだけではない、ただゆったりしているわけではない、真鍋さんのこだわり抜く姿勢を感じていただけるかと。
そこに使用されている生地は、フランスのアトリエで取引のあるイタリアのテキスタイルメーカーの生地を採用しています。
ぱりっとしたやや硬めで光沢のある生地感となっており、ここでも端正な趣きを感じるでしょうか。
国内のブランドでこういった生地が採用されているアイテムをあまり見かけないような気がしますが、こういった部分もM A N A V Eらしさのひとつですね。
僕が見かけていないだけかもしれませんので、その場合はご容赦を。
そして色味に関しては、WHITE、MARRON、STRIPEの3色。
白シャツをいざ探してみるとなかなかこれといったものが見つからない気がしますが、その欲を満たしてくれそうなWHITE。
秋らしさを感じられ、モンブランが食べたくなってしまうであろうMARRON。
温かみのあるアイテムが秋冬には多い中、爽やかな風を届けてくれるSTRIPE。
どれも1着持っておくと何かと重宝しそうですが、何も1色だけでなく複数色、と言いたいのが正直なところですかね。
最後に全く一貫していない欲を出してしまい、叱られてしまうかもしれませんね。
一貫する気のない僕の欲とは違い、一貫したこだわりや考えを感じることのできるM A N A V EのTuck Collar Shirtsを是非。
池田