本質
こんばんは。池田です。
昨日の営業後には最近オープンしたご近所のワインバーに初めて行ってみました。
基本的には安い居酒屋ばかり行ってしまう僕はワインバー初体験。
ワインについては全く詳しいわけでもありませんが、非常に美味しくいただき大満足です。
これを機にワインの本質について学んでみるのも良いかもな、なんて思ってしまいました。
とはいえ、そこまで飲む機会が多くないので、本質に迫ることができるのであろうか、といったところ。
それでも詳しくなるまではいかずとも、少なからず本質を学んでおけばより楽しめるかもしれませんしね。
そのためにワインバーに通いすぎてしまわないようにしないと、です。
毎日欠かさず飲んでいるビールの本質もわかっていないだろう、と改めて気付いた昨日には姪っ子と甥っ子の帰省が終わってしまいました。
いや、寂しいものですね。
あの騒がしいとも言えるほどの元気をまた当分見れないなんて。
次は年末年始になることでしょうかね。
それにしても毎度あの元気と体力には驚かされてしまいます。
夢の国から帰ってきた翌日にあれだけ遊んでいられるなんて。
こればかりはちびっ子だからこその本質なのでしょうね。
僕なんかが夢の国に行った翌日には確実に動くことはできないでしょう。
それが僕の本質。
ということは、来年に夢の国に行く計画をたてる場合には、夢の国に行った翌日は休業日になってしまいますね。
こればかりは致し方なし。
行く気満々。
体力がないという本質に悲しみを抱きつつ、本日はFujimotoのOverdyed Wrap Vestのご紹介です。
本質的でもあり、本質的ではない仕上がりかと。
Fujimotoの24AWのご紹介は初となりますので、まずは今季のテーマから。
ただ、公式として発表されているわけではなく、あくまで僕が藤本さんからお伺いした内容を僕なりに解釈したものになりますので、その点はご了承ください。
全体のテーマとしては”LEFT HAND”。
この”LEFT HAND”は実際には”LEFT HANDED”が正しいのですが、藤本さんが”LEFT HAND”という曲が好きであったことから”LEFT HAND”とされており、ここでは”偽善”を意味しています。
というわけで、日本語としての表現は”偽善者”。
それでは、なぜ”偽善者”がテーマになっているか。
コレクション製作中は紛争などが絶えない状況の中、SNSなどでは笑顔の画像と紛争などの世界情勢が入り混じっているのを藤本さんは目にしたそうです。
紛争の内容などを見て心に痛みを伴う状況ではあったものの、朝にコーヒーを淹れた後、それ以外のことで笑っている自分がいたとのこと。
その時に思ったことは痛みはすぐに消えるということ。
心が痛むとはいえ、自分自身が当事者ではないため、触れた方が良いのか、触れない方が良いのか。
それに答えはないのかもしれません。
これらの心情から藤本さんご自身が”偽善者”ではないのか、と感じられたそうです。
そしてそれを隠すように表現したのがベール。
このベールは顔がもやに包まれてよく見えない状況を表現しています。
また、今季の題材となっている小説はマッカランの『心は孤独な狩人』や南部ゴシック。
その舞台となっているカフェをイメージしたアメリカの洋館で撮影された今季のLOOK。
この小説は実際に読んでみていただいた方が良いかと思います。
とても僕の拙い言葉では表現できない内容でした。
といったところです。
確かに、上述したことを考えると”偽善者”と捉えることができるのかもしれませんが、それが人間の本質的な一面なのでは、と僕は思ってしまいました。
何かしら見たくないものを見てしまって心を痛めてしまったとしても、それを永久的に心を痛めながら考えていられるなんてごく稀な気もしてしまいますし。
忘れることはなくとも、他のことを考えたり、別の行動に移したりすると、すっかり他の気持ちに切り替わる、全員が全員ではないにしろ、あくまでそれが藤本さん同様に僕の本質だなと。
そんなこんなで少し長くなってしまいましたが、ここからはOverdyed Wrap Vestのご紹介を。
なんと言ってもこのベストの本質的な魅力はその自由さ。
何通りの着方があるのか、と突っ込みたくなること必死です。
デザイン自体は華美なことを加えているわけではないですかね。
それでもショルダーにボタンを備えていたり、ウエストにはベルトとそれを通すためのループが付けられています。
展示会前にLOOKを見ていて、どう着ているのかよくわからず、展示会で藤本さんに様々な着方をお伺いしてはいたものの、いざ入荷してもそんなことは一切忘れてしまっていました。
これまた僕の悪い本質。
それでもFujimotoのアイテムに関してはそれで良い、いや、それが良い、と僕は思っています。
あくまで着る方の自由であるということがFujimotoの本質ではないでしょうか。
LOOKを見てもそう感じてしまいますし。
どうやって着てるんだ、と想像するのも楽しいですしね。
そんなわけでショルダーのボタンを全て留めて、所謂ベストの本質のように着ても良し。
左右のどちらかのボタンを外して、ワンショルダーのように着ても良し。
左右どちらも外してベルトを1周させて、カマーバンドのように着ても良し。
ベルトは簡単に右から左へ向かわせるも良し。
ループを通して右から左へ向かわせるも良し。
ループを通して右に舞い戻るも良し。
ループを通して1周させるも良し。
さらに比翼になっているボタンは本質的に全て留めるも良し。
トップボタンだけ留めるも良し。
中間だけ留めるも良し。
全開にするも良し。
ひとまず僕が考えうる着方を羅列してみましたが、これらを掛け合わせたらどれだけの着方があるのか、と途方に暮れてしまいそうです。
そもそも本質的に想像力が豊かだとは到底言えない僕が羅列したものになるので、これ以上の着方があるのでしょうね。
海賊王を目指しているあの人物並みに自由を追い求めているのかもしれません。
余計な表現をしてしまうのも本質なのだろうな、と感じてしまいますが、何はともあれ、何通りにも及ぶ着方によって、ベストの本質的なスタイルから、ベストの本質にはとどまらないスタイルまで楽しめるかと。
それを想像するだけでも楽しそうだな、と羨ましくなってしまいますね。
それ以外では裾がカットオフになっていたり、製品染が施されていたり、とFujimotoらしい本質的な要素も非常に魅力的。
このベスト以外でも同様ですが、今季のこういったカットオフであったり、あえて簡易的な作りにしている部分では、自分の本質を曝け出すことが表現されています。
あまり自分の本質を曝け出すことができない僕としては見習わないといけなそうです。
自分自身の本質はどんなことがあるのだろうか、と改めて考えさせる機会を与えてくれているのでしょうか。
Fujimotoの本質的な魅力である多様にも程があるスタイルが表現され、ベストの本質的なスタイル、ベストの本質にとどまらないスタイルを楽しめるOverdyed Wrap Vestを是非。
池田