借景
こんばんは。池田です。
自分の経歴を伝えて驚かれることが多いのが「農大卒」です。
造園の学科で都市デザインやりたいと思って入学しましたが、すぐに全関心がファッションに向いてしまったので、そこまで真面目に通っていた訳ではなく単位も最低限取得して卒業しました。
ただ景観や庭園などを見ることは好きだったので、技法などはちょこちょこ調べたりもして、今ではほとんど忘れてしまいましたが、その中でも「借景」が好きでした。
借景は割と有名なのでご存知の方も多いかと思いますが、庭園の外の景観だったり自然を庭園の一部、もしくは背景として取り入れる技法です。
なんで好きかは言葉にしづらいんですが、全てを一から作り上げる訳ではなく、外部のものも取り入れて落とし込むってなんか粋だなって。
そんなわけでなぜ借景なのかというと、YASHIKIのアイテムは借景を使っているみたいだと個人的にずっと思っていたからです。
YASHIKIは石川県の景観、文化などをニットに落とし込んで表現しているので、借景っぽくないでしょうか。気のせいでしょうか・・・
あくまで主観なのでお気になさらず。
22SSでは【碧海 -UMI-】がテーマになっているので、波だったり海辺から見える景観を編みによって表現されています。
YASHIKIでは定番になっているヘンリーネックでは、Namikage Henley Knitとして身頃脇の柄で波を、肩から縦に入る数種類の柄で夏の強い陽射しとゆらゆらと揺れる波の影を表現。
編み方はプレーティング編みを採用しているので、表側とは色が違う裏側の糸がうっすらと見えるようになっています。
単色だけでの編みだと単調になりそうなところに、そうすることで深みが増すようなイメージです。
Nagisa Knitでは、
中央のギザギザした柄で夏の日射しと打ち寄せる波を表し身頃中央の柄は波によってできた砂紋を、
身頃脇と袖の細かな凹凸のある編み地で白く泡立つ波と波に流される砂や小石を表現しています。
ニット(編み)でこういった景観、文化を表現して、さらにそれがしっかり伝わるところがYASHIKIは本当にすごいなと。
書きながらそりゃ着続けるわけだと改めて納得してました。
ちょっと加えるとボタンを使っているアイテムには黒蝶貝を使っているので、そこで上品さがさらに増すところも非常に嬉しいポイント。
今の時期ではメインで、涼しくなったらインナーとしても使える半袖ニットを是非。
池田