余韻
こんばんは。池田です。
今日ははっきりとしない天気ではありますが、一気に季節が進んだかのようですね。
日曜日の予想気温を見ると、本当に秋がなくなってしまったのでは、なんて思ってしまうほど。
秋の快適な陽気の余韻に浸りたいところですが、余韻に浸るどころか、秋をほとんど感じられていないですし。
こうなってしまうと薄めの長袖アイテムを楽しむ暇すらないので、困ったものですね。
セレクトするアイテムにも影響が出てきそうです。
そんな一気に季節が進んだ前日の定休日には、久しぶりに銀座に行ってきました。
あるものが欲しくて某有名セレクトショップに行った後には、なかなか行かない銀座ということもあり、先輩方のショップに挨拶回りにも。
銀座は海外の方がかなり増えたな、という印象でしたが、実際に先輩のお話を聞くと、インバウンドが絶好調とのことでした。
歩いている方を見るとショッパーを携えて歩いている方が多い多い。
楽しいお買い物の余韻に浸っているかのような海外の方の表情を見ていると、ようやく日常が戻ったな、と安心してしまいました。
インバウンドの売上が凄まじくて、その嬉しさの余韻に浸ってたこともあったな、なんて懐かしみつつ、本日はULTERIORのOLD DENIM WIDE PANTSのご紹介を。
余韻を残しながらも、な仕上がりに。
まず、こちらは40インチほどあるチノパンがベースとなっています。
僕も学生の頃に行ったパリの古着屋さんで44インチのチノパンを購入して、今でも穿くことがあるのですが、どんな体型の人が穿いていたんだ、という興味が湧いてしまうほど。
さらに僕のは股下が短めなので、より興味をそそられてしまいます。
パリ旅行の余韻から醒めまして。
その太くて野暮ったいイメージのあるチノパンを折り畳んだかのようなデザインになっています。
折り畳まれたような前身頃は非常に印象的ですね。
ただ単に折り畳まれたようなデザインになっているわけではなく、その部分がプリーツになっている点も見逃せません。
ベースが40インチということで、かなり深めのプリーツとなっているため、立体感のあるシルエットになる良い役割を担ってくれていますよ。
プリーツによる立体感もさることながら、個人的に好きな部分がコインポケット。
以前ご紹介したFUJIのSelvedge Straight Denimに近しいのですが、折り畳まれてしまったことでコインなんて入らないサイズになってしまっています。
以前まではコインポケットだった、と過去の余韻に浸っているかのよう。
この機能性皆無なディテールがなんだか愛らしい。
プリーツとともに特徴的な点が両サイドのポケット。
サイズが大きいだけに深いポケットにベースの40インチの余韻を感じられますね。
深すぎるとそれはそれで物が落ちやすいなど使いづらさが勝ってしまいますが、そこにリベットを打ち込むことで、機能性を上げつつ、ひとつのデザインとしても昇華されています。
これはULTERIORらしい憎い演出。
また、ここに使われているのは11ozのデニム。
経糸には青みをうっすらと感じるブラックにロープ染色を施しています。
その糸を織り上げることで白場が出過ぎず、余韻が残ったかのようなムラ感が出た仕上がりに。
加えてストーンバイオ加工も施しています。
そのため80年代や90年代あたりの古着のデニムの余韻を感じられるでしょうか。
とはいえ、ごりごりの古着というよりも、品があり洗練されたかのような雰囲気も漂わせる流石としか言いようがない仕上がりです。
サイズ感はもちろんベースの40インチの余韻を感じる、かなりのボリューム感です。
ですが、いざ穿いてみるとそこまでのボリュームを感じさせないほどの、すとんと落ちているかのようなシルエット。
11ozという程良い厚さ、柔らかな生地感も要因のひとつになっているかと思います。
ここも野暮ったくなりすぎずに、むしろ品すら感じてしまう流石の仕上がり。
売上の余韻に浸れるまで成長しないとな、と改めて自分に喝を入れたくなってしまいます。
ベースとなった40インチのチノパンの余韻を感じながらも、野暮ったさはおろか、品があり洗練されたかのような仕上がりのULTERIORのOLD DENIM WIDE PANTSを是非。
池田