
情
こんばんは。池田です。
当初の予定は変更になりましたが、一昨日は以前書いたようにお世話になった方のセレクトショップのオープンレセプションに伺ってきました。
無事に義理人情をお返しすることができて何より。
義理人情ではないかもしれませんが、何はともあれ、非常に良い空間に仕上がっていました。
ビルの6階ということもあり、喧騒から離れたような落ち着きつつ不思議な感情を抱いたり。
あの雰囲気ならゆっくりとお買い物を楽しめそうです。
これは私情でしかないんですけどね。
事情があって古着を購入してしまいました、とまるで言い訳にならなかった一昨日、の前日の土曜日は甥っ子たちと戯れることができました。
甥っ子たちが実家に泊まりに来る事情があったから予定を変更したわけです。
それにしても今のポケモンは僕が卒業してからの新たなキャラクターの数が膨大すぎて、もはや過ぎた年月に悲しい心情になってしまいました。
甥っ子たちはその膨大さでもしっかり覚えているので、情報量の多い図鑑で教えてもらいながら楽しめたので良かったんですけどね。
今から覚えてみようか考えてみたり。

間違いなく覚えられないことには同情してください、と懇願しながら、本日はnagouneのCotton embroidary beads vestのご紹介を。
異国情緒あふれるような1着かと。
nagoune自体は今季が初のコレクションということで、あまり情報がないのでご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんね。
以前『正直』でご紹介しているので、ご存知ない方は是非読んでみてください。
展示会に伺うまでは正直なところ期待していなかったという私情があったことだけは触れておきますね。

という私情はさておき、初のコレクションとは思えない仕上がりのこちらのベストは、キリスト教のアーミッシュの若者が俗世を経験するために親元を離れる期間であるラムスプリンガで着ていたベストがソースとされています。
はい、もちろんラムスプリンガなるものなんて情報が僕の頭の中にはありませんでした。
知らなかったので調べてみたものの、あまり情報が出てこなかったという事情があることをお伝えしておきます。

それでも少し出てきた情報を見てみると、ダブルまでとはいかないまでもやや深めに設定されたフロントが踏襲されているような、いないような。
真偽のほどは定かではありませんが、中心からはずれていることは確かですのでね。
もし間違っていたらご存知の方にはご教授いただきたいのと、ご存知でない方は僕に同情していただきたいです。

皆さまに同情していただいたところで、シルエットも印象的に映るでしょうか。
そう感じさせるのはショルダーやアーム、裾にとられたタック。
おかげで優しい人情を持ち合わせたような膨らみのあるシルエットを映し出してくれているかと。

膨らみを映し出してくれているのはタックだけではなく、2枚仕立てとされていることも要因のひとつかと思います。
生地自体は厚みがあるわけではないので、もし1枚仕立てだとするとてろんと弱々しさが出てしまったかもしれません。
ではなく、2枚仕立てとされることで柔らかな情景を想起させる膨らみが実現しているのでしょうね。

そんな2枚仕立ての生地はインド刺繍によるものとなっています。
刺繍自体は葉を散りばめられたようなデザインといったところ。
この生地が何よりの特徴と言ってもこれが私情になることはないでしょうね。
インド刺繍であることはもちろんですが、その柄からも異国情緒を感じさせてくれるかと。
カディもインドを代表する生地ではありますが、比較的シンプルなものが多いので、いざ聞いてみないと実感を得づらいかもしれませんが、この表情ならひと目見ただけでもインドとは確信できずとも異国の雰囲気が感情に訴えかけてくるのではないでしょうか。
訴えかけてくるとは言い過ぎかもしれませんが、異国情緒を感じることは間違いないかと。

さらにフロントに鎮座しているのが、デザイナーである名郷根さんが収集しているというチェコのビンテージビーズ。
展示会で全てのアイテムを拝見して、あ、名郷根さんは変態だ、という心情が募ってしまったのですが、このビーズ収集は間違いなく変態。
お取り扱いさせていただいている他のデザイナーの方々も変態ではありますが、また違った変態さを感じてしまいました。
この変態だと感じてしまったビーズは光の当たる角度によって表情を変えてくれています。
流石に異国情緒を感じることはないかもしれませんが、それでも情緒を感じさせる存在であることは間違いないはず。
哀愁も感じられるかもな、なんて。

キリスト教のラムスプリンガ、インド刺繍、チェコのビンテージビーズ、ともなると異国情緒を感じるのが必然と言えるでしょうか。
複数の文化の要素が混ざり合っているにも関わらずこのまとまり。
本当に初のコレクションなのか疑う感情に陥ってしまっても仕方ないかと。
今後のためにもどのように感情に訴えかけていこうか計画を立てねばならないかもしれません。
僕の頭の中には情報がなかったラムスプリンガ時のベストがソースとされ、異国の雰囲気を感情に訴えかけてくるインド刺繍が採用されつつ、配されたビンテージビーズで情緒を感じられることで異国情緒あふれる仕上がりとなったnagouneのCotton embroidary beads vestを是非。
池田