応じて
こんばんは。池田です。
まだ本格的にとまでは言えませんが、展示会シーズンが始まろうとしています。
既に展示会をしているブランドもあるみたいですが、僕は明日が初の25SSの展示会。
毎度楽しみです。
相変わらずファッションのサイクルは早すぎるな、なんて思ってもしまいますね。
僕がなんと言おうと、ご案内いただく展示会に応じて拝見させていただくしかないんですけども。
何はともあれ、楽しみであることには変わらず、そして同時に頭を悩ませる時期が続くことになるでしょうね。
好きなだけオーダーしたい気持ちは抑えて、できる限りの予算に応じて良いものが仕入れられればと思っている次第でございます。
25SSでもそれぞれ勝手な僕の期待に応じてくれているはず、いや軽く超えてきてくれるはず、と胸を躍らせる中、そろそろデリバリーが始まる24AW。
こちらもまた楽しみ。
ただ、これからが真夏にも関わらず、秋冬のアイテムなんて現実味があまりないですよね。
僕もそう思います。
それでもデリバリーに応じて、数ヶ月先に何を着ようか、と想いを馳せながらのお買い物も楽しいですよね。
たとえすぐに着れずとも。
どちらにせよ、デリバリーの初回あたりは季節に応じて軽めのアイテムが多いとは思うので、遠い未来とまではいかない気がしますし。
色々言いつつ、正直なところ何が何だろうと僕は楽しみでしかないんですけどね。
待ち遠しい。
季節や気温に応じて投稿するアイテムを変える気が全くないな、と自分でも感じつつ、本日はFujimotoのDouble Gauge flap Bagのご紹介です。
何事にも応じてくれる仕上がりかと。
既にJersey flap Bagは『問い』でご紹介していますが、こちらはそれとは異なる生地で仕上げられています。
もちろん生地以外でも異なる要素はありますが、大まかに言ってしまうと生地違い。
それでも異なる生地に応じて、表情や印象はがらりと変わっているのではないでしょうか。
先に生地について触れたので、まずはそこから。
ここで使われているのはウールとリネンによるダブルゲージです。
リネンが入ることに応じて、ウールだけでは出せない光沢が出ていますね。
このぬらぬらとしているような光沢が、どこか怪しい雰囲気も醸し出しているような気がしてなりません。
不条理な状況を嘲笑っているのか、はたまた不条理な状況に応じていかなければならないことを憂いているのか。
そんなことを想像してしまうような、光沢はありながらも闇のような奥深さも感じてしまう、そんな生地と色味。
また、Jersey flap Bagとは異なる要素として、サイドに付けられたチャーム。
毎度この付属に対しての呼び方に困っているのですが、もし呼び方がチャームではなかったらすみません。
正しい呼び方をご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
というわけで、チャームは馬毛をまとめたものと石が連なったものの2つが付けられています。
馬毛については正直なところ記憶が曖昧なので、もしかしたら間違っている可能性もあります、と先に白状しておきます。
そんなチャームはもちろん藤本さんのお手製。
相変わらずの芸の細かさ。
こういった細かい部分にはFujimotoらしさが感じられるとともに、どこか思想的な表情にも映ってしまいます。
これについては、文学を洋服へ落とし込んでいることがそう思わせる要因なのかもしれません。
僕の勝手な印象ですけどね。
そしてフラップを開けてみると、収納部分が現れます。
収納部分はストラップで絞れるようになっているので、落下防止にもなるかと。
その機能性としての部分はもちろん、絞るとストラップがはっきりと姿を見せてくれるので、ちょっとした主張もその場に応じて役を買って出てくれそうですね。
このストラップもただでは終わらせない曲者かもしれません。
こちらではレザーを採用。
ストラップ自体は細めながら、堅い意志を持っているかのような表情を感じさせます。
ふらふらと迷うことは間違いなくないでしょうね。
これももちろん藤本さんのお手製ですし、そんな藤本さんもふらふらと迷うことなく、自らの確固たる意思に基づいてものづくりされていることが理解できてしまう次第。
それとフラップ部分はカットオフになっていることからも、その怪しい雰囲気を助長しているのかもしれませんね。
使っていくうちにこのぴろぴろとした糸たちが伸びていく姿に応じて、その怪しさに拍車がかかっていきそうだな、なんて未来予想をしています。
これはどんどん成長させてあげたいところ。
最後に使い方について。
使い方については『問い』でも書いているので、重複する部分もあるかと思いますが、それはご愛嬌。
初めから放り投げるようなことを言ってしまうと、ご自由に、です。
ショルダーバッグとしても、ウエストバッグとしても、エプロンのようにしても、首からかけても、ハンドバッグとしても、もはやバッグとしてでなくとも。
その時のスタイルに応じて、その時の気分に応じて、どう使うかはそれぞれで。
わかりづらいと定評されている、と勝手に思っているFujimotoのLOOKを見ていただければわかると思いますが、どこにどのように使っているのかいまいちわかりません。
それで良いですし、何よりそれが魅力。
使い方に想像を膨らませて楽しんでいただければ。
どんな時でも変化に応じて行動することの難しさと大切さを身を挺して教えてくれているのでしょうか。
その場に応じて柔軟に対応するための矜持を持ち合わせ、何事にも応じてくれるFujimotoのDouble Gauge flap Bagを是非。
池田