
抱いて
こんばんは。池田です。
ここ最近は小説などを読んでいなかったのですが、とあることから久しぶりに読むことになりました。
久しぶりということもあって読み終えるのに時間がかかるかな、と若干の不安も抱いてしましたが、そんな杞憂はまるで不要なほどにさくさくと読み進めてしまいました。
やはり小説を読むのも楽しいものですね。
普段は漫画を寝る時も抱いて寝るほど読んでいる生活を送っているので、これからは小説も抱いていこうかなと。
それにしても小説を読み始めたとあることとは一体、と疑問を抱いてしまうかもしれませんが、かなり鋭い方はおわかりかもしれません。
そう、あのブランドの展示会がそのとあることです。
そこまで言っておいてここでは明かしませんけどね。
何故明かさないのかもやもやとした感情を抱いてしまうかもな、と申し訳なさを抱いてしまう中、どうやら25SSの洋服についてはほんの一部を残して完納したみたいです。
というのも、オーダーしていたアイテムでまだ納品されていないものもあったので、首を長く待っていたのですが、そのアイテムたちは量産に至らなかったとのこと。
もちろん残念な気持ちを抱いてしまいますが、それなりの数量のオーダーがつかないと量産はできないので仕方ないですね。
それらのアイテムはそのブランドの今季の中でも特に刺さっていたものばかりだったので、是が非でも量産に至っていただきたかった本音も抱いてしまうんですけども。
今更とやかく言っていても納品されるわけではないので、気持ちを切り替えるしかないですね。
最後に、残念。

残念な気持ちを抱いてしまうのは仕方ないよな、と自分を慰めながら、本日はFujimotoのHolding Trousersのご紹介を。
落とし込み方に納得感を抱いてしまう仕上がりかと。

こちらはプリントなどのわかりやすいデザインが施されているわけではありませんが、何やらフロントが結ばれていますね。
ジャンプスーツなのに身頃が見当たらないな、と疑問を抱いてしまうでしょうか。
はい、身頃は備わっていません。

それでもウエスト部分には袖のようなものが備わっています。
これをフロントで結ぶことでジャンプスーツを腰巻したり、シャツなんかを腰巻したり、したような印象を抱いていただけるかと。
身頃がない分、すっきりとした佇まいを感じていただけるかもしれませんね。
では、何故このようなデザインとされているのか。
それは藤本さんご自身がよく腰巻することから落とし込まれています。
確かにLOOKなどでもありとあらゆるものが腰に巻き付けられているので、これには納得感を抱いていただけるのではないでしょうか。
何をどう巻いているのかわからないのもFujimotoの世界観を形成していると勝手に感じていたり。

この世界観溢れるスタイルを1着で完結させるためにこのデザインとなったわけですね。
いざジャンプスーツを腰巻したり、シャツなんかを腰巻するともたついてしまう煩わしさを抱いてしまうことも正直なところ。
それがなくすっきりとしたスタイルに昇華できるともなると、非常に理に適ったデザインではないかと。

さて、この腰を抱くようなデザインを今季のテーマに沿って考えてみましょうかね。
あるがままの姿を見せることを加味すると、偽りの姿が出てこないように縛って固定していることが表されているのかもしれません。
もしくはあるがままの姿を見せることを戒めとして抱いているとも捉えられるでしょうか。
さらにその下のジップが顕になっているということは、ここでも偽りの姿が出てこないように閉じているのかもしれませんね。
となると、何があろうともあるがままの姿でいる気概を抱いている姿勢が窺えてしまいます。
とはいえ、脱ぐ時は開けることになってしまいますが、人前で脱ぐことはないので、その時ぐらいは偽りの姿を出しても良いことにしておきましょうかね。

つらつら書いていますが、捉え方はいかようにもできるので、このデザインが何を表しているのか自由に考えていただければ。
もちろん表している意味なんて必要ない、という考えを抱いてしまう方もいらっしゃると思いますので、そんな方は純粋にデザインとして楽しんでください。
押し付けるなんてことは間違いなくしませんが、せっかくなら落とし込まれた文脈を読み解く楽しみも味わっていただきたいな、という考えを抱いてしまうことも正直なところなんですけどね。
というデザインとなると、ウエストはこの袖のようなもので調整するのか、という疑問を抱いてしまうかもしれませんが、しっかりドローコードは備えられています。
ドローコードで調整しつつ、どの高さで結ぶか調整してみてください。
高めに結べばより凛とした佇まいに、低めに結べばだらしない佇まいに、といったところでしょうかね。


あれ、その袖のようなものがサイドについているとなるとポケットがないのでは、と新たな疑問を抱いてしまうかもしれません。
もちろんその心配は必要なしです。
結んでしまうと隠れてしまいますが、サイドではなくフロントにポケットを配しています。
ともなると、ポケットに手を入れているとパンツに手を突っ込んでいるようにおらおらして見えるかもしれませんね。
まるで桜の木が花の道を作っているように。

何を表現したのかわかった方に何を差し上げようか考えつつ、表現がそのまま過ぎるのでそれはやめることにして、裾にもドローコードが備わっているので、絞るか否かでシルエットに変化をもたらすことができます。
個人的にはこの極太ずどんのシルエットが好きなので、あまり絞ることはなさそうだなと。
面倒なだけでは、と疑念を抱いてしまうかもしれませんが、あながち間違ってはいないことを正直に告げておきながら、それでもこのシルエットの方が好きであることも告げておきますね。

上述したようにサイズ感については極太ずどんな設計となっています。
生地自体はコットンの薄手ではあるものの、デザインとシルエットが相まって存在感をかなり感じられるでしょうかね。
暑い時期には単調になってしまう懸念を抱いてしまっても、このパンツを穿けばまず単調になることはないはず。
加えて、真横からぐいんと袖のようなものがフロントに持ってこられるため、真横からインタックが入っているような佇まいにもなっていますね。
となると、極太シルエットがストレートに落ちていくわけではなく、フレアしているようにも見えてくるかもしれません。
デザインはさることながら、シルエットも他では見られない仕上がりになっているかと。
どうしても手を出したい気持ちを抱いてしまいますが、それを我慢せねばならない現実を受け止めておきます。
藤本さんご自身がよく腰巻することから腰を抱くように結ばれたデザインにすることで、偽りの姿が出さない覚悟を抱いているように感じられ、単調になる懸念を抱いていたとしてもそれを払拭してくれる存在に仕上がったFujimotoのHolding Trousersを是非。
池田