上に
こんばんは。池田です。
どうやら明日は猛暑になる予報ですが、以降は気温は落ち着きそうですね。
それにしても今年の残暑は残り過ぎです。
もはや残暑と言って良いのかすら怪しくなってきてきますかね。
本当に異常気象には困ってしまいます。
ここまで暑いと試着すら躊躇ってしまいそうですし。
文句を言っていても仕方ないので、予測していることを少しでも上に向けていけるように精進しようかと思います。
暑い暑いとは言っても、朝晩は冷えると言っても良いぐらいの気温になってきたため、夜の涼しい中で煙草を吸うのが非常に気持ち良いです。
この気温で静かな夜に吸うと、なんだかいつもより美味しく感じてしまうんですよね。
加えて、上に顔を向けた時に月や星が綺麗に見えたら、気分も落ち着きますしね。
そんなことを言うのは似合いませんけども。
下ばかり見ていないで、上に目線を向けよう、と無理やり締めようと思います。
気取っているわけではありません、と否定しておきたいな、なんて思いながら、本日はFujimotoのBurned Sweat Shirts with Wingsのご紹介を。
日々、上に向かわせてくれる、そんな1着。
既にスウェットをご紹介した『讃美』でも書いていますが、今シーズンのテーマは”FLOWERSANDYOU”として、藤本さんの友人や知人に向けたコレクション。
コレクション制作期間の時期があの時期だっただけに、悩むなどしてしまい立ち止まってしまった方が周りに増えてしまった状況だったそうです。
そういった周りの方々に「そのままで良い、自分らしく」というメッセージを送る、なんとも藤本さんの人柄を感じられるシーズンになっていますね。
その中でアイテムのデザインや加工、グラフィック、LOOKで表現されているのが、”花”や”蝶”、”翼”、”火”。
こちらでは”翼”と”火”を加工によって落とし込まれています。
なんと言っても特徴的なのは、背面のデザインですね。
この加工は染色やプリントではなく、藤本さんご自身がバーナーで焼きを入れています。
展示会でこれを聞いた時は、一瞬思考停止に陥ってしまったような気が。
普通手作業で洋服をバーナーで焼かないでしょ、と。
そんなバーナーの焼きによって背面には”翼”を表現。
何故”翼”なのかというと、上に向かって飛ぶためのものだから。
気持ちが下に落ちてしまっている周囲に対して、上に顔を向けよう、というメッセージでしょうかね。
加えて、上に向かって煙が上っていく、という理由で”火”も表現のひとつになっています。
強さのあるデザインや加工の中に、静かな優しさを感じることができるかと。
また、この焼きは裾や袖にも施されています。
カットオフされた上で焼かれているため、直線ではなくなり、ランダムな仕様に変化。
手作業ならではのこのランダムな仕様が、他では見られない魅力に昇華していますね。
裾と袖だけでなく、首元も大きくカットオフされ、緩い雰囲気。
それだけでなく全体のシルエットも緩く、長くだらっとした袖。
着てみるとどこか退廃的な雰囲気を感じていただけるかと思います。
そうは言うものの、そこに品も感じられるのが不思議なんですよね。
これらの焼かれた部分はWhiteの方が焦げているのがわかりやすく出ていたのですが、Blackは遠目では見えないほどの、ほのかに香るような見え方も良い雰囲気を出してくれています。
なんてさらっと書いていますが、既にWhiteは完売してしまいました。
書くのが遅かったか、と悔やまれますが、下を向かずに顔は上に向けたままで。
さらに使っている生地にも特徴が。
スウェット生地を裏使いし、裏毛が表になっています。
裏毛だからこんな粗野な雰囲気の焦げができたのかな、なんて感じてしまっていますが、これは僕の勝手な妄想ですので悪しからず。
上述したように色味はBlackのみ。
フェードした退廃的な雰囲気が感じられ、Whiteには出せない良さがあるかと思います。
デザイン、加工、シルエット、色味、全てがFujimotoらしい退廃的な雰囲気、だけどどこか品も感じるような仕上がり。
こればかりは実際に着てみないとわからなそうです。
1人の人間としても上に向かって歩み続けたい、なんて考えている僕にも寄り添ってくれそうです。
力強くもあり、優しさもある声で、顔を上に向けよう、と寄り添ってくれるFujimotoのBurned Sweat Shirts with Wingsを是非。
池田